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Cedep共同研究「企業主導型保育事業に関する調査」:研究成果の公表及びシンポジウム開催について

2019.10.30ニュース

 

東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)では、日本生命保険相互会社の協力の下、平成28年度に開始した「企業主導型保育事業制度」について初めての実態調査を実施しました(対象:平成31年3月までに開所していた企業主導型保育施設(2,514施設)、時期:令和元年8月)。

 

施設長・保育者に対して、施設における保育の質の確保・向上に関連する取り組みの実際や勤務施設への評価を、利用している保護者に対しては、企業主導型保育を知った経緯や時期、利用施設の評価等について尋ねました。その結果、以下のことがわかりました。

  • 企業主導型保育施設では、8割以上が平成30年度に園内研修を実施しており、そのうち、一年間に7回以上実施している園が4割以上であった。園内研修実施の難しさとしては、特に8割程度の人が時間の確保と人手不足を挙げていた。
  • 企業主導型保育施設では、9割程度が平成30年度に園外研修へ参加しており、自社や自園が園外研修への参加費用を負担していた。ただし、園外研修参加費用の負担は必ずしも多くなく、年間5万円未満の園が全体の6割以上を占めていた。また、園外研修への参加の難しさとして、半数以上が人手不足を挙げていた。
  • 企業主導型保育施設では、9割近くが第三者評価を受審したことがなく、また6割程度が自社から受審を特に求められていなかった。
  • 企業主導型保育施設を利用している保護者は、利便性や施設の綺麗さを評価しており、それらと比べると保育内容の評価は相対的に低かった。
  • 保育内容を高く評価している保護者は、園の保育の質への評価が高く、施設への満足度が高かった。また、保育内容が高く評価されている施設の保護者は、園の保育の質への評価が高く、施設への満足度が高かった。
  • 保護者の保育内容への評価が高かった保育施設では、園内研修の実施頻度や、園外研修への参加頻度が高いという傾向が見られた。

さらに、保護者の保育施設選択のメカニズムをより詳しく調べるため、保育・幼児教育施設に子どもを通わせている/通わせたいと思っている就学前のお子さんのいる保護者(6,391名)を対象に、保育施設選択の際に重視した/している内容や施設選択における企業主導型保育の位置づけ等について調査を行いました。その結果、以下のことがわかりました。

  • 企業主導型保育事業の認知度は、通わせられる子どものいる一般の保護者ではこの制度の存在を知らない人が4割近く、知っていても名前を聞いたことがある程度の人が5割近く、合計9割程度がよく知らなかった。
  • 保育所選択には、保育料や施設への通いやすさが重視されている。ただし、それだけではなくて子どもが保育を受ける環境(保育士の対応や安全・衛生など)も重視されていることが分かった。

本調査の分析結果は、11月3日(日)に東京大学 伊藤謝恩ホールで開催されるCedep共同研究シンポジウム「企業主導型保育のこれから~保護者の選択と実際の姿~」で発表予定です。指定討論には、「企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会」座長の前田正子教授(甲南大学)と現「子ども・子育て会議」座長の秋田喜代美教授(東京大学)にご登壇頂き、企業主導型保育の今後について議論を深めます。

シンポジウムの詳細は、以下のこちらよりご覧ください。皆様のご参加をお待ちしております。

 

プレスリリース「企業主導型保育事業に関する調査」