Cedep 発達保育実践政策学センター

第8回 発達基礎科学セミナー

日時
2021年5月10日 (月) 15:00〜16:30
場所
オンライン
講演

「意識はどこに在るのか?ー第一原理に基づく神経基盤の同定とその応用ー」

笹井俊太朗(株式会社アラヤ 脳事業研究開発室 チームリーダー、ウィスコンシン大学マディソン校 医学部精神科 オノラリーフェロー)

参加者の声

  • 全体的に非常に興味深い内容でした。意識の研究は、意識の定義が困難であったり、意識を直接的に確認することができないので非常に困難な研究であると認識していましたが、統合情報理論は一つの手掛かりとなる可能性があることがわかりました。最後の方でお話されていたような意識の伝達等が可能になれば革命的であるので、今後も注目していきたいと思います。
  • 主観的な意識がある状態を脳活動から定量化できるのかという部分は今回のお話を聞いても何か腑に落ちない感じがありました。発達初期に、感覚入力が入ってくるから脳の活動が複雑になるのか、脳の活動が複雑になるから感覚入力を識別できるようになるのかの順序が分かっていないから納得できていないのかもしれません。前者の場合は、統合情報理論の話と矛盾がないと思うのですが、後者の場合は、先に脳の活動だけが複雑になっている時期があるため、φが高いけれども意識は伴っていない状態が定義できてしまう気がします。これからの展開で発達を絡めてという部分がありましたが、その部分はすごく気になるなと思いました。今回のゼミでも扱っているサブプレートの活動が中心的な役割を果たす時期から感覚入力が中心になる時期の転換期で、今までの知見と矛盾なくφの発達曲線が書けたりしたらすごいと思いました。
  • 意識という曖昧なものをIITによって定量的に分析できるようになったのはとても画期的な方法だと思いました。
  • 笹井さんの意識に関する今までの研究、とりわけ統合情報理論に関する研究は、ヒトの意識や思考などに興味のある私にとって刺激的で面白かったです。また、今後の研究の展望について説明していただき、脳研究の可能性を感じたとともに、笹井さんのように私も最前線で脳研究をしたいと思い、さらに精進しようと思いました。
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