新型コロナウイルス関連の子ども・子育てに関わる情報はこちら

『子育て保育研究支援基金』の設立について

「子育て保育研究支援基金」へのご協力のお願い

東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センターロゴマーク

2019年 4月 吉日

 

 

東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センター(Cedep)
「子育て保育研究支援基金」へのご協力のお願い
-子育て・保育に関する研究のさらなる推進のために-

 

謹啓
 少子高齢化、グローバル化、IT化等、社会の変化が類をみないほど急激に進む現代において、未来を担う子どもたちのために質の高い子育て・保育環境をデザインしていくことは、社会的に喫緊の課題といえます。近年、欧米圏を中心に行われてきた長期縦断研究(数十年にわたる人の成長発達の追跡調査)の結果から、乳幼児期の保育・教育環境が生涯にわたる人の幸福や健康に影響を与えることが実証され、乳幼児期の重要性が改めてクローズアップされています。さらに、教育経済学者たちは、代表的な縦断研究に基づく試算から、幼児教育への投資は経済効果の高い政策だと主張しています。こうしたことから、欧米圏のみならず世界中の多くの国が乳幼児期の政策を優先課題とし、効果的な政策立案のためのデータ収集を目的とした縦断研究を開始しています。しかし、わが国は、先進諸国で唯一、乳幼児期からの養育・保育の質と発達に関するデータベースが構築されていない国となっています。保育・教育政策のエビデンスを提供する実証的研究の実施が急務なのです。

 また、質の高い子育て・保育環境を実現する上では、子育てを担う保護者を支えることが重要な課題のひとつです。そのためには、子育て支援の充実と同時に働き方の見直しが不可欠です。男女を問わず子育てと仕事を両立して生き生きと働ける環境づくりは子育てを支え、ひいては子どもの育ちを支えます。そして、ワーク・ライフ・バランスの実現は、多様な人材の確保・活用、生産性向上、女性が経済的にも活躍できる社会の推進のためにも重要であることが指摘されています。こうしたことから、ワーク・ライフ・バランス実現のための働き方や職場環境のあり方、子育てと仕事の両立に関する研究も、社会的要請が高い課題となっています。

 本センターは、こうした状況の中、子どもの発達、子育てや保育の実践、そのための政策に関わる研究を推進するため、2015年7月に設立されました。乳児期から就学前の保育・教育を研究し、政策提言できる唯一の国立学術研究機関です。現在、様々なプロジェクトが始動しております。例えば、日本最大規模の全国調査により、約30,700名もの保育者から回答を得て保育・幼児教育施設の実態を明らかにしました。また、国内外のこれまでの研究知見に学びつつ、東京大学の知のリソースを生かし、多様な研究分野と連携・協働して先端的研究を進めようとしています。情報理工学系研究科との協働では、最先端のAI、IT、センシング技術を用いて子育て・保育の実践を可視化し、保育者や保護者に情報提供する「スマート保育システム」 の開発を進めています。また、大規模の長期縦断研究では、子どもの心身発達に関する様々な指標とともに、ワーク・ライフ・バランスなど社会の変化の中で立ち現れてきた課題も含め、子どもの発達と関連しうる諸要因に関するデータを収集することをめざしています。さらに、こうした研究で得られたビッグデータを解析・活用し、子育て・保育のイノベーション実現のため、乳幼児期の保育・教育政策への提言や知の学術的・社会的発信をしていきたいと考えています。

 本センターは、シンポジウム等による活発な知の発信、アジア諸国や欧米の研究者との継続的交流を行い、我が国の子ども・子育てに関する知の最先端拠点として社会的・国際的に認知されるようにもなってきました。しかし、数十年にわたる長期縦断研究をはじめとして、子どもの発達と子育て・保育に関わる研究を今後も継続的に行うためには、安定的な財政基盤が必須となります。現在、国からの事業費等は大学においても削減が進んでおります。このような背景の中で、未来を担う子どもたちを育む質の高い子育て・保育環境のデザイン、生涯にわたる人の幸福や健康を支える社会の創造に資する学術研究を支えていただくため、本センターでは「子育て保育研究支援基金」を設立しました。私どもとしましては、学術の推進と知の社会還元のために趣旨をご理解いただき、皆様の御支援・御協力をお願い申し上げる次第でございます。

謹白 

 

東京大学大学院教育学研究科長
 秋田 喜代美

東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センター(Cedep)
 センター長 遠藤 利彦
 副センター長 浅井 幸子
 センター准教授 野澤 祥子

 

 

子育て保育研究支援基金アイコン

東京大学基金のウェブサイトからご案内いたします
プロジェクト名「子育て保育研究支援基金

同サイトの「プロジェクトを探す」のページで一覧からお探しいただくか、「子育て保育研究支援基金」で検索できます

※ 文中のリンク・基金のアイコンからも直接ページが表示されます