Cedep 発達保育実践政策学センター

2019年度終了

「企業主導型保育事業に関する調査」ならびに「保育の利用実態に関する調査」

調査の目的

平成28年度に開始した「企業主導型保育事業制度」について初めての実態調査
施設長・保育者に対して、施設における保育の質の確保・向上に関連する取り組みの実際や勤務施設への評価を、利用している保護者に対しては、企業主導型保育を知った経緯や時期、利用施設の評価等について尋ねました。(対象:平成31年3月までに開所していた企業主導型保育施設(2,514施設)、時期:令和元年8月)

調査の対象

企業主導型保育事業に関する調査

施設長・保育者

保育の利用実態に関する調査

保護者

調査実施期間

2019年8月20日~9月22日

調査方法

調査票郵送・FAXもしくはWeb回答

協力

内閣府、日本生命保険相互会社

調査実施者

秋田 喜代美・野澤 祥子・淀川 裕美・佐々木 織恵(東京大学 発達保育実践政策学センター)
深井 太洋(東京大学大学院経済学研究科)

問い合わせ窓口担当者:淀川裕美(発達保育実践政策学センター特任准教授)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
E-mail:yodogawa[@]p.u-tokyo.ac.jp ※[@]を@にかえてご利用ください。

調査委託先:株式会社マクロミル(ウェブ回答フォームの作成・集計を委託)

調査の結果

第1弾 2019/10/30掲載 プレスリリース「企業主導型保育事業に関する調査」

東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)では、日本生命保険相互会社の協力の下、平成28年度に開始した「企業主導型保育事業制度」について初めての実態調査を実施しました(対象:平成31年3月までに開所していた企業主導型保育施設(2,514施設)、時期:令和元年8月)。

施設長・保育者に対して、施設における保育の質の確保・向上に関連する取り組みの実際や勤務施設への評価を、利用している保護者に対しては、企業主導型保育を知った経緯や時期、利用施設の評価等について尋ねました。その結果、以下のことがわかりました。

  • 企業主導型保育施設では、8割以上が平成30年度に園内研修を実施しており、そのうち、一年間に7回以上実施している園が4割以上であった。園内研修実施の難しさとしては、特に8割程度の人が時間の確保と人手不足を挙げていた。
  • 企業主導型保育施設では、9割程度が平成30年度に園外研修へ参加しており、自社や自園が園外研修への参加費用を負担していた。ただし、園外研修参加費用の負担は必ずしも多くなく、年間5万円未満の園が全体の6割以上を占めていた。また、園外研修への参加の難しさとして、半数以上が人手不足を挙げていた。
  • 企業主導型保育施設では、9割近くが第三者評価を受審したことがなく、また6割程度が自社から受審を特に求められていなかった。
  • 企業主導型保育施設を利用している保護者は、利便性や施設の綺麗さを評価しており、それらと比べると保育内容の評価は相対的に低かった。
  • 保育内容を高く評価している保護者は、園の保育の質への評価が高く、施設への満足度が高かった。また、保育内容が高く評価されている施設の保護者は、園の保育の質への評価が高く、施設への満足度が高かった。
  • 保護者の保育内容への評価が高かった保育施設では、園内研修の実施頻度や、園外研修への参加頻度が高いという傾向が見られた。

さらに、保護者の保育施設選択のメカニズムをより詳しく調べるため、保育・幼児教育施設に子どもを通わせている/通わせたいと思っている就学前のお子さんのいる保護者(6,391名)を対象に、保育施設選択の際に重視した/している内容や施設選択における企業主導型保育の位置づけ等について調査を行いました。その結果、以下のことがわかりました。

  • 企業主導型保育事業の認知度は、通わせられる子どものいる一般の保護者ではこの制度の存在を知らない人が4割近く、知っていても名前を聞いたことがある程度の人が5割近く、合計9割程度がよく知らなかった。
  • 保育所選択には、保育料や施設への通いやすさが重視されている。ただし、それだけではなくて子どもが保育を受ける環境(保育士の対応や安全・衛生など)も重視されていることが分かった。

第2弾 2019/10/30 シンポジウムにおける発表

本調査の分析結果は、11月3日(日)に東京大学 伊藤謝恩ホールで開催されるCedep共同研究シンポジウム「企業主導型保育のこれから~保護者の選択と実際の姿~」で発表予定です。指定討論には、「企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会」座長の前田正子教授(甲南大学)と現「子ども・子育て会議」座長の秋田喜代美教授(東京大学)にご登壇頂き、企業主導型保育の今後について議論を深めます。

2019/11/03 共同研究シンポジウム「企業主導型保育のこれから~保護者の選択と実際の姿~」

その他

お問い合わせのあった内容

  • クラスを担当していない主任なのですが、回答できますか。
    →「保育者」向けのアンケートは、クラス担任の先生を想定した設問となっております。
    恐れ入りますが、クラス担当の先生にご回答をお願い致します。
  • クラス担任とせず、みんなで保育というかたちを取っているのですが。
    →担任制を取っていない場合は、書類上記載している人数(各歳児クラスに該当する園児数、実際に配置しうる職員数)をご入力ください。
    職員数に関しては、事務や掃除などのみ行っている職員の数はのぞいて、実際に保育にあたっている職員の数のみ、お答えください。

関連プロジェクト

Cedep×ライフケアパートナーズ(日本生命グループ) 共同研究 プロジェクト

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