Cedep 発達保育実践政策学センター

東京大学CEDEP × ポプラ社 共同研究プロジェクト シンポジウム「絵本・本の新たな可能性をひらく〜デジタル時代の子どもの読書環境のためにできること〜」

日時
2024年2月28日 (水) 16:00〜18:00
名称
東京大学CEDEP × ポプラ社 共同研究プロジェクト シンポジウム「絵本・本の新たな可能性をひらく〜デジタル時代の子どもの読書環境のためにできること〜」
会場
開場15:30
対面・オンラインのハイブリッド開催
対面: 東京大学本郷キャンパス 福武ラーニングシアター(情報学館・福武ホール地下2階)
オンライン: Zoomウェビナー
参加費
対面・オンラインともに無料
共催
東京大学 発達保育実践政策学センター(CEDEP)/株式会社ポプラ社

お申し込み|対面会場・オンライン会場・取材(終了しました)

【対面会場】福武ラーニングシアター(定員:先着150名)

東京大学本郷キャンパス 福武ラーニングシアター(情報学館・福武ホール地下2階)
東京都文京区本郷7丁目3−1 アクセス
福武ラーニングシアターとは?

【オンライン会場】Zoomウェビナー(定員:先着1,000名)

【取材のお申し込み】

プレスの皆様に向けて、シンポジウム終了後のメディアセッションをご用意しました。下のボタンから申し込みページへおすすみください。(終了しました)

※シンポジウムへの参加申し込みも兼ねており、上の事前参加登録は不要です。
※メディアセッションもハイブリッド形式です。会場参加、ウエビナー参加、どちらも下のボタンからお申し込みになれます。
※お申し込みいただいたメディア関係者には、撮影写真及び発表資料類を後日送付いたします。

お問い合わせ

こちらのお問い合わせフォームよりお寄せください。

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企画趣旨

2019年8月にスタートした東京大学CEDEPとポプラ社による共同研究プロジェクト「子どもと絵本・本に関する研究」では、子どもと絵本・本の関わりや子どもを取り巻く絵本・本・メディア環境について、調査、実験、事例研究など多様なアプローチに基づき、多層的・多面的な研究を行ってきました。このシンポジウムでは、これまでの共同研究の成果に基づき、子どもたちの読書環境の今と未来について考えていきたいと思います。

研究報告では、現代の子どもを取り巻く読書環境/デジタル環境の実態、発達との関連について検討した調査研究、子どもにとっての紙の本/電子書籍それぞれの特徴について検討した実験研究、デジタルを活かした実践例などを中心に共同研究の成果や関連する研究の知見を紹介します。その後、子どもの発達、教育実践・政策、出版それぞれの視点からの専門家のコメントを通じて、デジタル時代の子どもたちの読書環境をより豊かにするために様々な立場の大人たちができることについて考えます。

皆さまのご参加をお待ちしております。

プログラム (プログラムは変更となる場合がございます。)

開会挨拶

遠藤 利彦(東京大学大学院 教授/発達保育実践政策学センター センター長)

共同研究について

高橋 翠(発達保育実践政策学センター 助教)

研究報告

「子どもの読書環境・デジタル環境の実態と発達との関連」
大久保 圭介(発達保育実践政策学センター 特任助教)
「子どもの読書の新たな可能性とそれを開く鍵」
佐藤 賢輔(発達保育実践政策学センター 特任助教)

指定討論/コメント

秋田 喜代美(学習院大学 教授/東京大学 名誉教授)
千葉 均(株式会社ポプラ社 取締役会長)
遠藤 利彦(前掲)

ディスカッションと質疑応答

閉会挨拶

浅井 幸子(東京大学大学院 教授/発達保育実践政策学センター 副センター長)

共同研究について​​

CEDEP×ポプラ社の共同研究『子どもと絵本・本に関する研究』プロジェクトは、「絵本・本」の価値を学際的アプローチで明らかにし、知見に基づいて子どもを取り巻く読書環境を改善することを目的としています。子どもを取り巻く絵本・本環境を、エコシステムとして多層的に捉えた上で、子ども・家庭-園-地域それぞれのレイヤーの実態や関係性を把握するための研究を実施しています。なお、エコシステムの考え方は、発達心理学者U.ブロンフェンブレナーによる、人の発達を「人と環境(文脈)が相互作用し合うシステムのなかで複雑に規定される」ものとして捉える生態学的アプローチを参照しています。

資料 クリックでデジタルブックが開きます

共同研究について|高橋 翠(発達保育実践政策学センター 特任助教)

研究報告|大久保 圭介(発達保育実践政策学センター 特任助教)

研究報告|佐藤 賢輔(発達保育実践政策学センター 特任助教)

指定討論/コメント|遠藤 利彦(前掲)

指定討論/コメント|秋田 喜代美(学習院大学 教授/東京大学 名誉教授)

シンポジウム動画 YouTube 東京大学 発達保育実践政策学センターチャンネルにて公開中

2024年2月28日に行われたシンポジウムを、一部編集してお届けします。
YouTubeで視聴される場合は、タイムスタンプのクリックで任意のチャプターに移動できますが、この埋め込み動画ではご利用になれません。

【無記名アンケートへのご回答のお願い】
この動画に関するご感想やプロジェクトへのご要望などをお寄せください。動画を部分的に視聴された場合でもご回答いただけますと幸いです。
以下のフォームから、回答は2024年3/15(金)まで受け付けています。
https://forms.gle/SUhM82GDT3ixW12G8

[チャプター情報]

00:00:43 開会挨拶
遠藤 利彦(東京大学大学院 教授/発達保育実践政策学センター センター長)

00:05:45 共同研究について
高橋 翠(発達保育実践政策学センター 助教)

00:19:15 研究報告
「子どもの読書環境・デジタル環境の実態と発達との関連」
大久保 圭介(発達保育実践政策学センター 特任助教)

00:39:37 研究報告
「子どもの読書の新たな可能性とそれを開く鍵」
佐藤 賢輔(発達保育実践政策学センター 特任助教)

01:08:32 指定討論/コメント
遠藤 利彦(前掲)

01:27:06 指定討論/コメント
秋田 喜代美(学習院大学 教授/東京大学 名誉教授)

01:42:48 指定討論/コメント
千葉 均(株式会社ポプラ社 取締役会長)

01:57:45 閉会挨拶
浅井 幸子(東京大学大学院 教授/発達保育実践政策学センター 副センター長)

Q&A シンポジウム中にお寄せいただいた質問への回答

シンポジウム中にお寄せいただいた質問につきまして

シンポジウム開催中、Webフォームにて登壇者への質問を受け付けておりましたが、お寄せいただいた質問に回答する時間をシンポジウム内で設けることができませんでした。進行の不手際について改めてお詫び申し上げます。

お寄せいただいた質問の一部について、簡単ではございますが登壇者が回答を作成しましたので以下にて公開いたします。お寄せいただいた質問はなるべくそのまま掲載しておりますが、誤字脱字や分かりにくい表現を含む箇所などについては一部修正しています。

Q1:「読み聞かせの頻度が高い」とは、どの程度でしょうか?
A:発表で取り上げた文献は、複数の研究結果を統合しています(メタ分析と呼ばれる研究方法です)。これらの研究では、読み聞かせの頻度を評価する方法が異なります。具体的には、1日単位での評価(週0回~週7回までの8段階)や、週1回未満、週に1-3 回、週に4-6回、1 日に1回、1日に2回以上といった評価(5段階評価)が用いられており、週に何回以上の読み聞かせが効果的であるかという結論には研究ごとに差が見られます。しかし、一般的に幼児期においては、週に1回の読み聞かせよりも週に2-3回、さらにはそれを上回る毎日の読み聞かせを受けている子どもの方が、全体として言語能力が高い傾向にあると言えます。
Q2:ブックスタートについては未実施の自治体もありますが、政府の役割として義務化するべきなのか、それとも自治体への働きかけでブックスタートまたは準ずる絵本に触れる環境が拡大するのを待つべきか。スマホ、ゲーム、YouTubeが当たり前になっている家庭に、ブックスタートを通して絵本を親子で遊び楽しむ時間から図書館や子育て支援の輪に入るきっかけなど、孤育てにならない大きなきっかけと思うときに、未実施自治体があることはどのような理由が具体的にあるのか、義務化する必要はあえてなくても良いものなのか、モヤモヤした気持ちがあり、質問しました。
A:NPOブックスタートジャパンが2023年に実施した「赤ちゃんへの絵本贈呈事業に関する全国調査」によると、人口規模が大きな自治体(大規模自治体)では、ブックスタート事業の未実施率が高い傾向があることが明らかになりました。これは、出生児数が多い自治体では、人手や予算という面での課題が存在し、事業実施が難しい可能性があることを示唆しています。一方で、大規模自治体では、自治体独自の取り組みとして子育て広場や公共図書館を通じて絵本に親しむ機会を提供している場合があり、そのためにブックスタート事業を実施していない可能性も考えられます。未実施の自治体の実態については、今後詳細な調査が必要です。
また、ブックスタート事業を実施している自治体においても、その実施方法には大きな差が存在することが小袋朋美(2020)によって指摘されています。したがって、子どもたちが絵本や本と出会う機会をどのように提供していくかについて、各自治体が読書活動の推進計画の中でどのように位置付け、実際に活動を展開していくかを考えることが重要であると言えます。
文献:小袋朋美. (2020). 自治体におけるブックスタート事業の活用について~長崎県内のブックスタート実施状況から~. 児童教育支援センター年報, (14), 25-39."
Q3:4歳の保護者です。読み聞かせの際、予測などを促すのですが、「普通に読んで!」と言われてしまいます。この場合、どのように対応するのがいいでしょうか?
A:子どもの主体性という観点からは、子どもが読んで欲しいように読んであげるのが良いのではと思います。絵本が読み終わってからでも、その絵本についてお話しすることができるのではないかと思います。
Q4:親が読み聞かせる曜日に傾向はありますか?
A:曜日についてのデータは得ておりませんでした。もしかすると、読み聞かせ日数2日と回答された方は土日にされておられるのかもしれません。
Q5:4歳の子供の保護者です。絵本の読み聞かせをしていますが、本文が長かったり、難しかったりするので、内容を簡単にして読み聞かせることがあります。これは、読み聞かせの質を下げることになりますか?このまま続けていいのか悩んでいます。
A:お子様がそれで楽しんで聞いておられるのであれば、続けて頂いて良いのではないかと思います。長すぎて「おもしろくないな」と思ってしまうと、絵本に対してネガティブなイメージを持ってしまうかもしれませんので、いい取り組みではないかと思います。一方で、もし年齢を先取りしてどんどん長く読んでいくことをされているのであれば、もしかすると年齢に適したページ数や内容の絵本を選んで頂くのが最も良いかもしれません。
Q6:幼少期だけでなく小学校や中学校でも読み聞かせるのは有効だと考えますか?
A:基本的には、その時期には読み聞かせではなく、一人読みによって読書に親しむのが想定される子どもの姿だと思います。その時期の子どもを対象にした読み聞かせの研究もないように思います。ただし、言語などの発達のペースはお子さんによって大きな差がありますので、読み聞かせから一人読みへの移行の時期についても、ふさわしいタイミングには大きな個人差があるものと考えます。
Q7:テレビでの読み聞かせに近い番組活用についての調査に興味が湧きました。Eテレの朝夕の時間帯に子ども番組の改編がされていたおり(共働き家庭の親子の視聴時間がしやすいように)、BS放送では昔話のTV番組を小澤俊夫さん監修で放映もされています。読み聞かせと語りかけの相互関係は薄いがそういう番組も利用している家庭もあるのか興味が湧きました。
A:そのような内容のテレビ番組を見ているかについてピンポイントでデータを得ているわけではございませんので正確には回答できません。申し訳ございません。
しかし、遠藤先生のお話にもあったように、テレビを子どもと一緒に見るという三項関係という意味においては、有効に活用される可能性もあるとも思われます。
Q8: 「ナレーションより読み聞かせの方が理解しやすい」とありましたが、共同研究で実施した実験で、紙とデジタル(ナレーション付き?)の内容理解に差はなかったのはなぜでしょうか?
A:佐藤報告の中で紹介したように、Furenesら(2021)のメタ分析では、複数の先行研究の結果をまとめて分析した場合、ナレーションによる読み上げと比較して読み聞かせの方が内容理解に優れているという結果が得られています。一方、私達が行った実験では、ナレーションと読み聞かせに理解度の差はありませんでした。異なる結果が得られた原因は現時点で特定できませんが、研究によって、ナレーションの質(私達の研究ではプロの声優によるナレーションを用いています)、絵本の内容、参加者の文化的背景など様々な点が異なるため、それらが結果の違いに影響している可能性があります。
文献:Furenes, M. I., Kucirkova, N., & Bus, A. G. (2021). A Comparison of Children’s Reading on Paper Versus Screen: A Meta-Analysis. Review of Educational Research, 91(4), 483-517.
Q9:デジタルで統計的な絵本提案になった場合、提案内容が画一的になり、新たな出会いがしにくいのかな?と感じました。AmazonプライムやNetflixなどのように。絵本はロングセラーが強く、新規作家が介入しにくい環境と言われていますが、サブスクリプション型の統計的提案で、より新規が発信しにくくなるのでは?と感じましたが何か工夫や、仕組みがあるのでしょうか?
A:私達の研究からは、デジタルテクノロジーが絵本との出会いを画一的にするかどうかについて回答することはできません。ただ、デジタルテクノロジーを用いた本との出会いは、本との出会い方の一つに過ぎず、書店や図書館での本との出会いをすべて置き換えてしまうものではないと思います。デジタル「でも」本と出会えるということが、本との出会い方をより多様にするとすれば、それは子どもたちの読書環境をより豊かなものにし、子どもたちが今よりも多くの本、これまで出会えなかった本と出会う一つのきっかけになり得るのではないかと考えています。
Q10:読み聞かせの質、内容理解の箇所について。事後質問の内訳が、①事実理解、②感情理解のみしか報告がなかったのですが、他の質問事項はなかったのでしょうか?物語に夢中になる、イマーシブな感覚を引き出すような質問が報告されなかったので質問しました。物語のあらすじや登場人物の感情を理解するだけでは、読書感想文の素材にしかならないのではないか?と、思ってしまいました。
A:ご指摘の通り、絵本の内容についてより深く理解する、絵本の世界に没入するといった点についてうまく測定や比較ができていないことは、私達の実験の一つの限界かと思います。実験の目的上、内容理解の「正確性」を調べて比較することに主眼を置いていたので、どうしても「明確な正解がある問」を用いざるを得ず、その点である種「表層的」な理解を問う質問になってしまっています。絵本の世界のより深い理解について検討するためには、実験研究とは異なるアプローチを用いた研究が必要になると思います。
Q11:デジタル絵本で理解力に差がないことはわかりましたが、長期的な影響に差はあることはわかっているでしょうか。例えば、記憶力や親子の関わりなど。
A:私達が知る範囲で、デジタル絵本や子ども向け電子書籍を読み続けた場合の長期的な影響については現時点ではっきりとはわかっておらず、今後検討が必要な重要トピックであると考えています。例えば電子書籍は、紙の本と比べ、子どもの言語獲得には一般的に有利であることが知られていますが、短期的な介入研究によるものがほとんどで、長期的に言語発達を促進するかどうかはわかっていません。
Q12:親御さんの中には「理解しているけど忙しくて、子守の代わりにデジタルデバイスを与えている」というご家族が多く、こどもたちは「デジタルデバイスによって悪影響を受けている」と同時に「デジタルデバイスで代わりをしていることで親から十分にアタッチメントを受けていない」という要素もあるのではないかなと思っているのですが、そちらの部分に対してもしご意見などあればお願い致します。
A:デジタルデバイスは、使い方によっては子どもの発達に悪影響をもたらし得るものですが、その影響が生じるルートは大きく分けて二通りあると考えられています。一つは不適切なコンテンツなどを視聴することによる直接的な悪影響で、もう一つはデジタルデバイスを長時間使用することで、子どもの発達にとって重要な他の活動の時間が奪われることによる間接的な悪影響です。ご指摘の通り、家庭における子どものデジタルデバイス利用については、保護者が忙しいときに子どもを安全に遊ばせておくという子守役を担っている側面があります。そのような利用法によって、子どもと保護者の会話や外遊びなどの機会が大きく奪われることに繋がっていれば、結果としてアタッチメントを含む心身の発達に何らかの悪影響が生じる可能性はあると考えます。
Q13:タブレットがこれだけ配布されているのに、子どもの本・絵本の電子書籍の利用率はとても低いとのことですが、大人の電子書籍の利用率と比較しても低いのかどうか、もしご存じでしたらご教授いただけますでしょうか。また、利用率が低い原因について、電子書籍そのものの認知が低いことによるものなのか、保護者の紙信仰の影響があるのか、使い勝手など電子書籍の機能的な課題があるのか、ご見解をお持ちでしたらご教授いただけますでしょうか。
A:主要な原因を一つに特定することは難しいですが、子ども向け電子書籍の存在や利用方法があまり知られていないこと、一般向け書籍と比べ電子版を利用できるタイトルがまだ少ないこと、紙の絵本・本をより好ましいと考えている保護者が多いことなど、様々な要因が複合的に影響しているものと考えられます。学校での利用率の低さについては、特に費用面の課題(電子書籍サービスを導入するための予算がなかなか降りない)が大きいという話をよく伺います。
Q14:読み聞かせの質はどのように判断なさっているのでしょうか?例えば、「親が内容に関して質問をする」というような項目があったと思いますが、お受験親子にありがちな「何が出てきたの?何匹いたの?」というような質問も質を上げることになるのでしょうか?あるいは、このアンケートではこれが「質を上げる」に含まれているのでしょうか?
A:大久保報告で紹介した調査では、読み聞かせの質を尋ねる質問として「子どもに質問したり、子どもがそれに答えたりする」「様々なジェスチャーや声色を用いる」「子どもが言ったことを繰り返したり、修正したりする」「子どもに、絵本の中の絵を説明するように促す」「物語を日常生活と関連づける」という5つを用いており、これらをたくさんする保護者ほど質の高い読み聞かせを行っているとみなしています。ご指摘にあるような定型的な質問は、確かに読み聞かせの質に結びついていない可能性もありますが、質は5つの観点から総合的に評価されているため、読み聞かせの質をある程度正確に評価することができていると考えています。佐藤報告で紹介した実験では、絵本の内容に関する質問の多さは、保護者やお子さんの読み聞かせ中の会話の特徴の一つとして捉えており、読み聞かせの質の高さとは結びつけて考えていません。
Q15:紙とデジタルの絵本や本がコンテンツとして同じ、と本当にいいきれるのか、見た目は同じでも脳に与える影響は異なるのではとどうしても考えてしまいますが、そのあたりはいかがでしょうか。
A:デジタルデバイスやデジタルメディアと子どもの発達との関連については、学術的資料以外にも一般向けの書籍やウェブ上の情報など非常に多く公開されており、様々な情報が錯綜しています。学術的資料に限っても多くの異なる立場からの主張があり、デジタルが子どもの脳に与える影響についてはっきりと申し上げることはできません。紙とデジタルは単に視覚的な側面で異なる特徴を持っていますので、脳への影響がまったく同じということはないと考えます。ただ、現時点で得られている知見からは、紙の方が脳の発達に良い影響を与えるとか、デジタルは脳の発達に不可逆的でネガティブな影響を与えるといった主張を強く支持する根拠はあまりないように思います。

関連リンク

・特設サイトCEDEP×ポプラ社共同研究「子どもと絵本・本に関する研究」

・文部科学省 令和4年度子供の読書活動推進に関する有識者会議

・CEDEP×ポプラ社共同研究

共同研究プロジェクトシンポジウム

・第1回「デジタル時代における絵本・本の価値を探る ~子どもたちの豊かな読書環境の実現を目指して~」

・第2回「豊かな絵本·本·メディア環境の実現に向けて〜『子どもと絵本·本に関する研究』のこれまでの成果から」

・第3回「デジタル社会は子どもの読書環境をどう豊かにできるか?〜「紙」と「デジタル」のベストミックスの模索〜」

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