Cedep 発達保育実践政策学センター

日本教育心理学会第60回総会 自主企画シンポジウムのご報告

日本教育心理学会第60回総会(会期:9月15~17日)にて、自主企画シンポジウムを開催しましたので、ご報告いたします。

日時・会場・テーマ

日時:2018年9月15日(土)13:00~15:00

会場:D307 (独立館 3階)

テーマ

[JB03] 自主企画シンポジウム3

「保育における実践知へのアプローチ」

内容

企画趣旨

幼児教育の無償化等,乳幼児期の教育の重要性が政策的にも社会的にも認められてきている(OECD,2013,2015,2018)。そしてその鍵になる保育プロセスの質を決める重要な要因の一つが,保育者の専門性である。特に保育者においては,乳幼児期の子共の発達的特性から言語的な関与だけではなく,身体的な関わりの側面も大きな役割を果たし,総合的な活動としての遊びや暮らしの中で養護と教育の一体的な展開を保障する。長時間化する保育では,園組織でチームで協働して保育を行っていくための知識も含め必要とされている。 しかしながら,小学校以上の教師に関しては実践知に関する研究が,教科教育の内容に関するPCK(pedagogical content knowledge )等を中心に国内外で数多く研究が進められてきているのに対して,保育者に関しての実践知研究は少ない。

また従来の実践知へのアプローチとしては,質問紙法を用いて,保育観や保育に関わる知識を問うか,場面想定法などの方法,あるいは行動観察後に面接を行って記述する等のアプローチが使用されてきている。しかしそれだけでは,園がチームとして行っている保育に関して,保育者がもっている実践知,特に暗黙的な知識に迫ることは難しいこと,また言語に頼ることで情動的な側面も含めた専門的知識を捉えることは難しいと考えられる。そこで,本シンポジウムでは,これらの問題意識を踏まえ,これまでの方法とは異なるアプローチによって,保育者の実践知にどのように迫ることができるのかということを考える試みを3名の話題提供者に提供いただく。そして,これまで専門職のあり方や実践知に関して研究を進められておられるお二方を指定討論者としてお願いすることで議論を深めることを目的として,本シンポジウムを企画した。

具体的には,グループインタビューを用いてそこから実践知を引き出していくパターン・ランゲージという方法で記述するアプローチ,「保育プロセスふり返りシート(仮称)」というツールを開発しそのツールを用いての談話の中から実践知を引き出し園内外での共有を図るアプローチ,視線計測や相互作用の行動解析などをIT機器を用いてビックデータを収集解析し暗黙知を明らかにするアプローチからの検討を行う予定である。

登壇者

企画:秋田喜代美(東京大学)
司会:天野美和子(東京大学大学院)
話題提供:野澤祥子(東京大学)
話題提供:淀川裕美(東京大学大学院)
話題提供:高橋翠(東京大学大学院)
指定討論:無藤隆(白梅学園大学)
指定討論:楠見孝(京都大学)

発表・配布資料

報告

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