文部科学省 幼児教育に関する大規模縦断調査
調査実施中
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東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(CEDEP)はこのたび、 文部科学省からの委託を受け、「幼児教育に関する大規模縦断調査」を実施します。
日本の幼児教育・保育がその後の子どもの育ちに長期的に影響を及ぼすのか、そして、幼児教育・保育のどのような特徴が子どものより良い育ちに寄与するのかを明らかにするための調査です。幼児教育・保育の重要性や重点的に支えるべき点を実証的に明らかにし、今後の幼児教育政策形成のためのエビデンスを提供することを目指します。
未来の子どもたちが、 より一層健やかに育つ環境を整えるために、皆様のお力をお貸しください。
ごあいさつ

本調査の目的は、保育・幼児教育の経験、また、架け橋期(幼小接続期)における教育の経験が、家庭での経験と相まって、その後の子どもの長期にわたる認知・非認知の心の発達にいかに繋がっていくのかを明らかにすることです。
海外では、既にこうした研究が相当数行われており、非常に重要な知見が得られています。そうした国外での研究知見、あるいはまた国内でのこれまでの関連する研究知見や理論に基づき、慎重に手堅く調査を設計し、実施していきたいと考えています。
きわめて変化が大きく、複雑で、何が良くて何が悪いのか、その基準が非常に曖昧になってきている、いわば、混沌とした、これからの時代をたくましく生き抜いていく子どもたちの育ちをしっかりと支え促していくために、こうした研究の知見は必須不可欠なものです。
何卒、私どもの研究の目的とその意義をご理解いただきまして、特別なご高配を賜れれば幸いでございます。何卒ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
本事業研究代表
東京大学大学院教育学研究科
教授 遠藤 利彦
調査終了
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近年、世界各地で展開される長期縦断研究を通じて、幼少期における家庭内外での様々な経験のあり方が、その後の人の生涯にわたる心と身体の健康や幸せの形成などに対して多大な影響をもたらし得ることが実証的に示されてきています。しかし、日本においては、これまで、幼児教育・保育施設で経験する幼児教育・保育の質が、その後の子どもの認知・非認知両面の発達にいかにつながるかということに関わるデータの収集が、十分な形ではなされてこなかったと言わざるを得ません。
そこで、私ども、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(東京大学CEDEP)は、文部科学省の委託を受けて、それに関する大規模な縦断調査を2024年度より本格実施することにいたしました。既にデータの収集は始まっておりますが、今回、報告させていただくのは、前年の2023年度に実施した予備調査の結果であります。これは、本調査における調査項目の精査や実施フローの確認などを主目的としたものではありますが、現今の日本における園での幼児教育・保育の実践内容や環境構成などの実態の一端を知る上で、有用な基礎資料になっているものと考えられます。今後、私どもは縦断調査のデータの集積とともに、逐次、分析結果を提示させていただく所存ですが、それに先立ちまして、まずはこうした日本における幼児教育・保育の現況に対して、一度、お目通しいただければと切に願うものであります。
東京大学大学院教育学研究科 教授
発達保育実践政策学センター センター長
遠藤利彦
成果
報告書
論文
西田 季里, 浜名真以, 則近千尋, 眞田英弥, 野澤祥子(2024)
東京大学大学院教育学研究科紀要,第64巻,2024, pp.55-68, 2025/03.